特集
2019年本邦スタッドイン
種牡馬 配合のポイント
今年から日本で種付けを開始する種牡馬たちの配合のポイントを血統評論家の望田潤氏に解説していただいた。実際に所有する牝馬に種付けする際や、来年に産駒を購入する際の参考にしていただきたい。
解説 望田潤
北海道在住の血統評論家。主な著書に「パーフェクト種牡馬辞典」(年1回発行)。血統・配合の競馬総合サイト「血統屋」(http://miesque.com/)では、馬主向けサービスの配合診断も行っている。
2013年生 生産地:安平町 18戦8勝
主な戦績/1着:2016年菊花賞、2016年有馬記念
3代血統表
ディープインパクト 鹿毛 2002 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*ウインドインハーヘア 鹿毛 1991 |
Alzao | |
Burghclere | ||
*マルペンサ 鹿毛 2006 |
Orpen 鹿毛 1996 |
Lure |
Bonita Francita | ||
Marsella 黒鹿毛 1997 |
*サザンヘイロー | |
Riviere |
3歳時に菊花賞と有馬記念を制覇
サトノダイヤモンド
ディープインパクトの後継、母父が持つ血脈に注目
母マルペンサはアルゼンチンのGⅠ馬で繁殖としても優秀。自身はヘイロー3×4・5を持ちクラシックロードで大活躍。ディープインパクト後継本命の期待がかかるプロフィールといえる。ノーザンダンサー血脈が強い繁殖との配合も無理がないし、サンデーサイレンスの血も3代目に遠ざかるので、あまり配合相手に困ることはない。母父オーペンの母ボニータフランシタは名繁殖クードフォリーと4分の3同血の間柄なので、マキャベリアンやバゴの血を引く繁殖との配合は非常に魅力。このボニータフランシタ≒クードフォリーの4分の3同血クロスの成否に、種牡馬サトノダイヤモンドやディープインパクト父系の未来がかかっている、といっても過言ではないだろう。
繋養地
社台スタリオンステーション
2019年種付料/300万円
受胎確認後支払い
スタリオンより
「芝中長距離のGⅠを沸かせた能力もさることながら、セレクトセール当歳市場で高額で取引されたように、その頃から馬体の良さも際だっていました。産駒もセリ市場において、父と同様に高い評価を集めることでしょう」
(社台スタリオンステーション 徳武英介氏)
2013年生 生産地:米国 25戦8勝
主な戦績/1着:2017、2018年ドバイゴールデンシャヒーン
3代血統表
Posse 鹿毛 2000 |
Silver Deputy 鹿毛 1985 |
Deputy Minister |
Silver Valley | ||
Raska 栗毛 1992 |
Rahy | |
Borishka | ||
Jazzmane 栗毛 2006 |
Toccet 鹿毛 2000 |
Awesome Again |
Cozzene's Angel | ||
Alljazz 鹿毛 1992 |
Stop the Music | |
Bounteous |
ドバイで2年連続スプリントGⅠ制覇
マインドユアビスケッツ
遅咲きのスプリンターには魅力的な血脈溢れる
4~5歳時にドバイゴールデンシャヒーンを連覇した遅咲きの強豪スプリンター。メイダンの高速ダートを一気に追い込む脚は圧巻だった。筋骨隆々のパワースプリンターというよりはしなやかな短距離の差し馬のイメージだ。デピュティミニスター3×4、ブラッシンググルーム4×5、ヘイルトゥリーズン5×4の父母相似配合で、種牡馬としては自己主張は強いほうだろう。ダート1400m向きのスピード馬をつくりやすい種牡馬といえる。フジキセキやストームキャットの血を引く繁殖との配合が成功しそうで、ヘニーヒューズ牝馬などは特にオススメ。グロリアスソング=デヴィルズバッグ=エンジェリックソングの全きょうだいクロスで芝マイラーを狙う手も。
繋養地
社台スタリオンステーション
2019年種付料/200万円
受胎確認後支払い
スタリオンより
「米国のスピード血統でありますが、後方一気のレースをしたそのレーススタイルは、上がり勝負の日本競馬向きと言えます。軽さのある馬体を受け継いだ産駒は、芝もこなせそうなだけでなく、距離適性も広がりそうです」
(社台スタリオンステーション 徳武英介氏)
2012年生 生産地:安平町 17戦4勝
主な戦績/1着:2016年ドバイターフ
3代血統表
ディープインパクト 鹿毛 2002 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*ウインドインハーヘア 鹿毛 1991 |
Alzao | |
Burghclere | ||
*ラヴズオンリーミー 鹿毛 2006 |
Storm Cat 黒鹿毛 1983 |
Storm Bird |
Terlingua | ||
Monevassia 鹿毛 1994 |
Mr.Prospector | |
Miesque |
海外GⅠを制した芝の名中距離馬
リアルスティール
リーディングサイアーの黄金配合、キングカメハメハ系と好相性か
伯母に欧2歳牝馬チャンピオンのランプルスティルツキン、いとこにヨークシャーオークスのタペストリーがおり、二代母モネヴァッシアはキングマンボの全妹にあたる。そこにストームキャット、ディープインパクトと日米のリーディングサイアーが配された。ディープ×ストームキャットはキズナ、エイシンヒカリ、サトノアラジン、アユサンなどが出た黄金配合。並みいる社台スタリオンズのなかでも、血統表の字面ならばナンバーワンと言っていい。この良血ぶりは種牡馬としても魅力で、特にモネヴァッシア=キングマンボの全きょうだいクロスが生じるキングカメハメハ系との配合には注目したい。産駒はダートもOKの1800型が多いだろう。
繋養地
社台スタリオンステーション
2019年種付料/200万円
受胎確認後支払い
スタリオンより
「世界的な名血で構成された牝系と、日本を代表する名種牡馬の配合もさることながら、力強さとバランスの良さを両立させた馬体は、良血らしい品の良さもあります。産駒は芝のマイルから中距離での活躍が見込めそうです」
(社台スタリオンステーション 徳武英介氏)
2012年生 生産地:安平町 20戦7勝
主な戦績/1着:2016年香港ヴァーズ、2017年宝塚記念
3代血統表
Marju 黒鹿毛 1988 |
*ラストタイクーン 黒鹿毛 1983 |
*トライマイベスト |
Mill Princess | ||
Flame of Tara 鹿毛 1980 |
*アーティアス | |
Welsh Flame | ||
*ジョコンダⅡ 鹿毛 2003 |
Rossini 鹿毛 1997 |
Miswaki |
Touch of Greatness | ||
La Joconde 鹿毛 1999 |
Vettori | |
Lust |
国内外のGⅠを制した名中距離馬
サトノクラウン
確かな血統背景を持ち、ほとんどの有力血統と配合可能
母ジョコンダは愛重賞で3着。全姉ライトニングパールは英短距離GⅠ勝ち馬で愛重賞勝ち馬の母。ジョコンダの全妹は札幌2歳S2着ファストアプローチを産んだ。自身や母の全きょうだいも競走馬や繁殖として成功しており、信頼が置ける血統背景といえる。父マージュは重厚なスタミナを伝えるが、母方は短距離~マイルの活躍馬が出ており、このスピードも伝えることができれば成功だろう。サンデーサイレンスもサドラーズウェルズもデインヒルもキングマンボも持たないので、ほとんどの有力血統との配合が可能で、しかも妙味あるニアリークロスが生じやすいのは種牡馬としての強み。母父としても面白い。馬格のあるマイラー牝馬との配合がベター。
繋養地
社台スタリオンステーション
2019年種付料/100万円
受胎確認後支払い
スタリオンより
「欧州で発展してきた父系は、ポテンシャルの高さだけでなく、力強さもこの馬に伝えてきました。それは速い時計の競馬だけでなく、重い馬場も苦にしなかった成績にも現れています。今年はほぼ満口という人気ぶりです」
(社台スタリオンステーション 徳武英介氏)
2011年生 生産地:千歳市 29戦10勝
主な戦績/1着:2016、2017年スプリンターズS
3代血統表
*スウェプトオーヴァーボード 芦毛 1997 |
*エンドスウィープ 鹿毛 1991 |
*フォーティナイナー |
Broom Dance | ||
Sheer Ice 芦毛 1982 |
Cutlass | |
Hey Dolly A. | ||
ベルモット 栗毛 1997 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*レガシーオブストレングス 栗毛 1982 |
Affirmed | |
Katonka |
スプリンターズS連覇の短距離王者
レッドファルクス
しなやかさで走る短距離馬で強いクロスを持っていないのが特徴
スティンガーやサイレントハピネスの甥で、フォーエバーマークやハギノハイブリッドなども近親。エンドスウィープのラインらしく短距離をしなやかさで走り、鋭い斬れ味でスプリンターズSを連覇したがベストは1400mだったか。スウェプトオーヴァーボードとクリアアンバーの組み合わせはキョウエイアシュラなどが出た有名なニックスだから、サクラバクシンオーやアンバーシャダイの血を引く繁殖との配合にはまず注目。他ではアンブライドルド、ストームキャット、フレンチデピュティ~デピュティミニスターとも相性が良いだろう。父も母も自身も強いクロスを持たないので、3×4ぐらいの強いクロスを持つ繁殖との配合にも向く。
繋養地
社台スタリオンステーション
2019年種付料/80万円
受胎確認後支払い
スタリオンより
「祖父のエンドスウィープは、この父系の中でもバランスに秀でており、それが自身の芝適性の高さにも表れた印象があります。近年、スプリントで優秀な成績を残した競走馬は、種牡馬として成功しているのも心強いです」
(社台スタリオンステーション 徳武英介氏)
2008年生 生産地:新ひだか町(三石) 26戦5勝
主な戦績/1着:2013年AJCC、2着:2013年宝塚記念
3代血統表
ディープインパクト 鹿毛 2002 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*ウインドインハーヘア 鹿毛 1991 |
Alzao | |
Burghclere | ||
*レディバラード 黒鹿毛 1997 |
Unbridled 鹿毛 1987 |
Fappiano |
Gana Facil | ||
Angelic Song 鹿毛 1988 |
Halo | |
Ballade |
産駒の活躍で再び日本で供用されることに
ダノンバラード
世界的名門ファミリー出身、ロージズインメイ肌との配合に注目
母レディバラードは交流重賞2勝。二代母エンジェリックソングは名繁殖グロリアスソングや名種牡馬デヴィルズバッグの全妹にあたる。名繁殖ハルーワスウィートなども近親で、世界的名門ファミリーの出というのが種牡馬としての大きなセールスポイントだ。母譲りの締まりの強い体質で、ディープインパクト系だがダートや重馬場に強いパワーもよく伝える。ヘイロー3×3なので小回り向きの機動力も十分。ビッグレッドFの繋養なので、エンジェリックソング=デヴィルズバッグの全きょうだいクロスとなるロージズインメイ肌との配合にはまず注目したい。北海道2歳優駿のウィンターフェルはエンジェリックソング=グロリアスソング3×4だ。
繋養地
ビッグレッドファーム
2019年種付料/受胎条件100万円
出産条件150万円
スタリオンより
「現3歳が初年度世代となりますが、生産頭数からすると、優秀過ぎるほどの産駒成績を残しています。産駒は馬体に恵まれており、強靱な筋力がありながらも手先が軽く、芝、ダートを問わない活躍も頷けるところです」
(ビッグレッドファーム 蛯名聡マネージャー)
2011年生 生産地:新冠町 24戦9勝
主な戦績/1着:2015年有馬記念、2着:2017年宝塚記念
3代血統表
スクリーンヒーロー 栗毛 2004 |
*グラスワンダー 栗毛 1995 |
Silver Hawk |
Ameriflora | ||
ランニングヒロイン 鹿毛 1993 |
*サンデーサイレンス | |
ダイナアクトレス | ||
ヘイロンシン 黒鹿毛 1999 |
*キョウワアリシバ 鹿毛 1990 |
Alysheba |
Sulemeif | ||
ハッピーヒエン 栗毛 1987 |
*マナード | |
ブゼンフブキ |
数々のGⅠ馬を破って有馬記念優勝
ゴールドアクター
日本で発展するロベルト系の機動力を活かす配合を目指したい
父スクリーンヒーローはジャパンCに勝ち、モーリスやジェネラーレウーノなどを出して種牡馬としても成功。ロベルト系らしいパワーと機動力に加え、ダイナアクトレス牝系由来のトムフール的な柔軟性のあるスピードも伝えている。本馬は母父が地味なキョウワアリシバで、母系近親にこれといった活躍馬がいないのは種牡馬として弱点だが、そのぶん父系の特徴を伝えることができれば面白い。ロベルト系らしい機動力を増すにはキングマンボやヌレイエフやサドラーズウェルズ=フェアリーキングの血を持ってくるのが有効だろう。デヴィルズバッグ=グロリアスソングの血とも合うだろうし、アメリフローラ≒デインヒルのニアリークロスを狙う手もある。
繋養地
優駿スタリオンステーション
2019年種付料/受胎条件50万円
出生条件70万円
スタリオンより
「有馬記念ではトップホースたちを破った、芝での活躍はさることながら、騎乗したジョッキーたちが『ダートでも充分に戦える』と話していた程の能力も秘めています。産駒も芝とダートの双方で活躍しそうです」
(株式会社優駿 藤本一真氏)
2013年生 生産地:安平町 22戦5勝
主な戦績/1着:2018年天皇賞(春)、2着:2016年菊花賞
3代血統表
ステイゴールド 黒鹿毛 1994 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
ゴールデンサッシュ 栗毛 1988 |
*ディクタス | |
ダイナサッシュ | ||
レーゲンボーゲン 栗毛 2002 |
*フレンチデピュティ 栗毛 1992 |
Deputy Minister |
Mitterand | ||
レインボーファスト 栗毛 1992 |
レインボーアンバー | |
レインボーローズ |
幅広い距離で活躍したGⅠホース
レインボーライン
近親に活躍馬が多い牝系出身 スピードや先行力を補いたい
姉にアニメイトバイオやホーマンフリップ、姪にパイオニアバイオと、コンスタントに活躍馬が出ている牝系。ステイゴールド産駒でノーザンテーストのクロスを持つのはオルフェーヴル=ドリームジャーニー兄弟と同じ。母系にフレンチデピュティが入るのはグランシルクやコウエイタケルと同じ。こちらは母系に重厚なレインボーアンバーが入るので、俊敏さでは劣るがパワーとスタミナが売り。5歳時に本格化し天皇賞(春)を勝った。相手繁殖からスピードや先行力を補いたいところで、ストームキャット系のマイラー牝馬などはいいだろう。サクラバクシンオーの血を持ってきてアンバーシャダイ=サクラハゴロモの全きょうだいクロスにするのも妙味。
繋養地
優駿スタリオンステーション
2019年種付料/受胎条件50万円
出生条件70万円
スタリオンより
「距離適性の広さにも証明されたポテンシャルの高さと、父の産駒らしい根性がセールスポイントと言えます。それでいながら気性は大人しく、扱いにも苦労がありません。産駒にもこの気性の良さが伝わることでしょう」
(優駿 藤本一真氏)
2013年生 生産地:日高町(門別) 28戦10勝
主な戦績/1着:2018年高松宮記念、スプリンターズS
3代血統表
アドマイヤムーン 鹿毛 2003 |
*エンドスウィープ 鹿毛 1991 |
*フォーティナイナー |
Broom Dance | ||
マイケイティーズ 黒鹿毛 1998 |
*サンデーサイレンス | |
*ケイティーズファースト | ||
*ニードルクラフト 栗毛 2002 |
Mark of Esteem 鹿毛 1993 |
Darshaan |
Homage | ||
Sharp Point 栗毛 1992 |
ロイヤルアカデミーⅡ | |
Nice Point |
春秋スプリントGⅠを完全制覇
ファインニードル
サンデーサイレンスの血をもつ繁殖との配合でクロスを狙いたい
父アドマイヤムーンはジャパンCなど芝中距離で活躍したが、種牡馬としてはフォーティナイナーやシャーペンアップの短距離向きのスピードをよく伝え、代表産駒はハクサンムーンやセイウンコウセイなど古馬になって大成するスプリンターが多い。本馬も5歳時の充実ぶりは素晴らしく、高松宮記念とスプリンターズSを完勝と言っていい内容で制した。産駒も芝短距離~マイルが主戦場となるだろう。サンデーサイレンスの血も4代目に遠ざかるので積極的にクロスしたいところで、サンデーサイレンスのクロスを持つ繁殖との配合もOK。二代母の父ロイヤルアカデミーはストームキャットと父系母系が同じなので、このニアリークロスを狙うのも面白い。
繋養地
ダーレー・ジャパン スタリオン・コンプレックス
2019年種付料/250万円(出生条件)
スタリオンより
「年間スプリント重賞4勝という史上初の快挙を達成したそのスピードは種牡馬として大きな武器となります。さらに欧州の優秀なファミリー出身ですので、配合次第ではクラシックディスタンスを狙えるような産駒も出現すると期待しています」
(ダーレー・ジャパン株式会社ノミネーション マネージャー 加治屋正太郎氏)
2013年生 生産地:英国 23戦8勝
主な戦績/1着:2017年BCターフ、2着:2017年香港ヴァーズ
3代血統表
Medaglia d'Oro 黒鹿毛 1999 |
El Prado 芦毛 1989 |
Sadler's Wells |
Lady Capulet | ||
Cappucino Bay 鹿毛 1989 |
Bailjumper | |
Dubbed In | ||
Magic Mission 鹿毛 1998 |
Machiavellian 黒鹿毛 1987 |
Mr.Prospector |
Coup de Folie | ||
Dream Ticket 鹿毛 1992 |
Danzig | |
Capo Di Monte |
コースレコードを記録した米芝王者
タリスマニック
小回りでの機動力が武器、しなやかなサンデー系牝馬と好相性
ロジクライの近親で、さかのぼるとディープインパクトと同じバークレアにたどり着く牝系。父方のエルプラド~メダグリアドーロのラインはサドラーズウェルズの父系ながら小回り向きの機動力に富みダートもOKで、北米で枝葉を伸ばしている。ハイランドリールの内をすくってスルスル抜け出したBCターフ、あの機動力こそが本領だ。ややパワー寄りの体質なので、ディープインパクトやステイゴールドなど小柄でしなやかなサンデー系牝馬との配合で、馬格を補いつつ柔らかさを補われるという方向を考えたい。バゴの娘との配合は魅力的だし、キングマンボ系とも合うだろう。母系に入って良い血を多く持つので、肌に回っても面白い種牡馬だと思う。
繋養地
ダーレー・ジャパン スタリオン・コンプレックス
2019年種付料/180万円(出生条件)
スタリオンより
「芝・ダートを問わず続々とGⅠ馬を送り出しトップサイアーの地位を確立した父、ディープインパクトを筆頭に日本の名馬が数多く名を連ねるその母系、柔軟かつ壮健な馬体と重要な要素を兼ね備え、日本に来るべくして来た貴重な種牡馬です」
(ダーレー・ジャパン株式会社ノミネーション マネージャー 加治屋正太郎氏)
2012年生 生産地:日高町(門別) 15戦7勝
主な戦績/1着:2018年中京記念
3代血統表
ディープインパクト 鹿毛 2002 |
*サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*ウインドインハーヘア 鹿毛 1991 |
Alzao | |
Burghclere | ||
*ロンドンブリッジ 栗毛 1995 |
*ドクターデヴィアス 栗毛 1989 |
Ahonoora |
Rose of Jericho | ||
*オールフオーロンドン 鹿毛 1982 |
Danzig | |
Full Card |
誰もが認めるGⅠ級の能力
グレーターロンドン
母や近親に活躍馬がずらり、サンデーサイレンスのクロス狙いも
母ロンドンブリッジはファンタジーSに勝ち桜花賞2着。繁殖牝馬としても優秀で、ダイワエルシエーロ(オークス)やビッグプラネット(京都金杯)などを産み、孫の代でも菊花賞馬キセキが出ている。本馬は母方の影響も強いマイラーっぽい体型で、上がり32秒台の鋭い末脚を武器にJRA7勝。中京記念を豪快に追い込んで初重賞制覇を果たした。産駒はダートもOKで1800mの勝ち鞍が最も多くなりそうだ。サンデーサイレンスやヘイローのクロスは積極的に狙っていくべきだろう。キセキに倣うならばキングカメハメハ系牝馬との配合、ビッグプラネットに倣うならばブライアンズタイムやリアルシャダイなどロベルト系との配合が面白い。
繋養地
ダーレー・ジャパン スタリオン・コンプレックス
2019年種付料/50万円(受胎条件)
80万円(出生条件)
スタリオンより
「幾度に渡って証明してきた、卓越した瞬発力は『未完の大器』と呼ぶに相応しいと思います。そのポテンシャルの高さは、優秀な血統背景も後押しする形で、産駒にも遺伝されていくことでしょう」
(サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ 遠藤幹常務取締役)
2009年生 生産地:米国 13戦7勝
主な戦績/1着:2013年英インターナショナルS、2013年クイーンアンS
3代血統表
War Front 鹿毛 2002 |
Danzig 鹿毛 1977 |
Northern Dancer |
Pas de Nom | ||
Starry Dreamer 芦毛 1994 |
Rubiano | |
Lara's Star | ||
Tempo West 栗毛 1999 |
Rahy 栗毛 1985 |
Blushing Groom |
Glorious Song | ||
Tempo 栗毛 1992 |
Gone West | |
Terpsichorist |
すでにGⅠ馬の産駒がいる欧州の名中距離馬
デクラレーションオブウォー
芝でもダートでも活躍馬が見込め、ニアリークロスを活かす手も
ダンジグ系の名種牡馬ウォーフロントの代表産駒の1頭。欧州のマイルGⅠと中距離GⅠに勝ち、ダートのBCクラシックでも接戦の3着に好走したオールラウンダー。2014年から種牡馬入りし、初年度から仏2000ギニー馬オルメドを出している。実馬を見た関係者がみんな褒めるように馬っぷりも素晴らしい。母がラーイ×ゴーンウエストだからたしかに芝ダ兼用の1800型という血統で、配合次第で芝にもダートにも寄せられる種牡馬だ。産駒の配合においては、ウォーフロントが持つルビアノにタピットやリローンチを合わせると魅力的なニアリークロスが派生するのでオススメ。ストームキャットを持つ繁殖とも成功率が高そうだ。
繋養地
日本軽種馬協会・静内種馬場
2019年種付料/230万円(前払不受胎返還)
スタリオンより
「海外では初年度産駒からGⅠ馬を輩出しているだけでなく、2歳戦からの活躍も目立っています。自身の馬格の良さは産駒にも反映されるでしょうし、今年の配合予定馬を見ても、質の高い繁殖が集まっている印象を受けます」
(JBBA静内種馬場 遊佐繁基種馬課長)
2011年生 生産地:新ひだか町(三石) 47戦8勝
主な戦績/1着:2016、2017年京阪杯
3代血統表
*ヨハネスブルグ 鹿毛 1999 |
*ヘネシー 栗毛 1993 |
Storm Cat |
Island Kitty | ||
Myth 鹿毛 1993 |
*オジジアン | |
Yarn | ||
ニシノタカラヅカ 栗毛 2003 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986 |
Halo |
Wishing Well | ||
*デュプリシト 鹿毛 1985 |
Danzig | |
Fabulous Fraud |
芝でもダートでも活躍した名短距離馬
ネロ
国内外で実績のある父系、近親に名牝がいる母系も優秀
母ニシノタカラヅカは名牝ニシノフラワーの妹で、自身はセクレタリアト=ザブライドの全きょうだいクロス5×4。ヨハネスブルグ産駒らしく2歳早期からスピードを発揮し、7歳暮れまで休まず走りつづけ、芝ダ兼用で3億円近い賞金を稼いだ。ヘネシーのラインはヘニーヒューズなど日本に合うし、ヨハネスブルグ産駒のスキャットダディは三冠馬ジャスティファイを出し大成功したが早逝。ヨハネスブルグの代表産駒で配合も牝系も良いので、大きなタイトルはないが魅力ある種牡馬といえる。産駒の代ではストームキャットのクロスは積極的に狙いたい。プルピットやテイルオブキャットを持つ牝馬と配合するとジャスティファイと同じ魅力的なクロスになる。
繋養地
アロースタッド
2019年種付料/20万円(受胎確認)
スタリオンより
「レースだけでなく、調教時計にも証明されたスピード能力の高さが最大の武器です。また、長きに渡って重賞戦線を戦い抜いた丈夫さや、芝やダートを問わない競走成績からしても、産駒は幅広い活躍が期待できそうです」
(株式会社ジェイエス 松田拓也氏)
2013年生 生産地:千歳市 12戦2勝
主な戦績/2着:2015年全日本2歳優駿
3代血統表
Bernardini 鹿毛 2003 |
A.P.Indy 黒鹿毛 1989 |
Seattle Slew |
Weekend Surprise | ||
Cara Rafaela 芦毛 1993 |
Quiet American | |
Oil Fable | ||
*サンタテレジータ 鹿毛 2004 |
Lemon Drop Kid 鹿毛 1996 |
Kingmambo |
Charming Lassie | ||
Sweet Gold 栗毛 1995 |
Gilded Time | |
Anti Social |
2歳からダート戦でトップクラスの活躍
レガーロ
どんな牝馬にも配合しやすく、大物産駒誕生の期待も持てる
母サンタテレジータは北米GⅠ勝ち。そこに北米3歳チャンピオンのバーナーディニが配されて、エーピーインディ≒チャーミングラッシーの4分の3同血クロス2×3という魅力的な配合になった。2歳時はダート1800mで2連勝した後の全日本2歳優駿で2着に入り早くから活躍し、3歳時のレパードSでは3着に入った。このクロスは種牡馬としても魅力的で、産駒数は多くないだろうがダートの大物を出せる可能性はある。エーピーインディの継続クロスはもちろん、アンブライドルドの血を引く牝馬との配合も面白い。サンデーサイレンスの血を引かずノーザンダンサーの血も薄いので、どんな血統の牝馬にも配合しやすい。
繋養地
レックススタッド
2019年種付料/20万円(受胎条件)、30万円(出生条件)
スタリオンより
「世界の名血が並んだ血統の素晴らしさは勿論のこと、GⅠで勝ち負けの競馬を見せた競走能力や、前向きな気性も種牡馬としての大成を期待させます。現役時に父が果たせなかった重賞制覇は、産駒が叶えてくれそうです」
(レックス 事務局スタッフ)
2010年生 生産地:浦河町 36戦11勝
主な戦績/1着:2013年レパードSなどGⅢ・JpnⅢ6勝 2着:2015年フェブラリーS
3代血統表
*シニスターミニスター 鹿毛 2003 |
Old Trieste 栗毛 1995 |
A.P.Indy |
Lovlier Linda | ||
Sweet Minister 鹿毛 1997 |
The Prime Minister | |
Sweet Blue | ||
*オリジナルスピン 鹿毛 1997 |
Machiavellian 黒鹿毛 1987 |
Mr.Prospector |
Coup de Folie | ||
Not Before Time 栗毛 1991 |
Polish Precedent | |
Time Charter |
ダート戦線のトップレベルで活躍
インカンテーション
母系が良く、どんな血統の牝馬にも配合しやすい
父シニスターミニスターはキングズガードなどを出してダートで手堅い成功をおさめており、馬産地での信頼は厚い。母オリジナルスピンはマキャベリアンの娘らしく繁殖として優秀で、JRA出走6頭中5頭が勝ち馬で計23勝をあげている。この母系の良さが種牡馬としての最大のセールスポイントだ。サンデーサイレンスの血を全く引かず、ノーザンダンサーの血も薄いので、どんな血統の牝馬にも配合しやすいというのも強み。マキャベリアン、エーピーインディ、デピュティミニスターなどのクロスは積極的に狙っていきたい。デインヒルやグリーンデザートの血を引く牝馬との配合も面白い(ポリッシュプレシデントとのニアリークロスになる)。
繋養地
イーストスタッド
2019年種付料/30万円(受胎条件)、40万円(出生条件)
スタリオンより
「父シニスターミニスターの後継種牡馬というだけでなく、現時点での代表産駒と言える程の競走成績も残しています。普段は大人しいものの、競馬では闘争心を発揮できる性格の良さも、産駒には遺伝されていきそうです」
(ジャパンレースホースエージェンシー 中島直人氏)