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特集

2011年東日本大震災から10年 大地震再び

2011年東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方。そして、それから10年目を迎えた今年2021年2月13日にまた大きな地震に見舞われ、各地に被害が及んだ。それは福島競馬場も例外ではなかった。今回はその被害状況をレポートする。

① 6階通路 壁天井破損
② 5階指定席 ガラス破損
③ 6階業務エリアバルコニー及び天井(エキスパンションジョイント)破損及び落下
④ 5階指定席水没 スプリンクラー配管破損による
⑤ 6階来賓ロビーの天井及び断熱材が落下
⑥ 6階来賓ロビー天井落下
⑦ 6階業務エリア機材転倒
⑧ 6階業務エリア機材転倒
⑨ 5階の天井から天井落下(エキスパンションジョイント)が3階吹き抜け床まで落下
写真⑨を5階から撮影
10年前と同様に被害は5、6階が中心

日本国内のみならず海外にも大きな衝撃を与えた2011年3月11日の東日本大震災。揺れによる家屋、施設の被害に加え、津波による被害。そして、福島第一原発の損害、放射能問題による風評被害。福島県を含め、東北地方に大きな爪痕を残した。
具体的な被害の詳細は同年の4月27日の農林水産省の発表によると、死者1万5899人、行方不明者1万1432人、負傷者5314人、避難13万229人。建物被害・全壊7万6800戸とされている。
それから10年を経た今年でも約4万1000人が避難生活を強いられている。10年前から続けられている復興作業はまだ終わっていない。
そんな中、今年2月13日夜に福島沖で最大震度6強の地震が発生した。福島県内他、東北地方に被害を及ばしたが、東日本大震災時のような津波による大被害は見られなかった。その要因として震源地の深さが挙げられる。今年の地震は深さ約60キロメートル、東日本大震災時は約24キロメートである。海面からかなり深い所が震源地であったため大災害には至らなかった。
とはいえ、各地に地震による被害は見られた。福島競馬場も例外ではない。東日本大震災を受けて、福島競馬場での開催は2011年は行われず、地震発生から1年以上経った2012年4月の1回福島競馬から開催が復活した。その間、耐震強度を上げるために改築が行われた。しかし、今回の地震でも天井やガラスが破損するなどの被害を負うこととなった。破損個所は10年前同様、スタンドの5、6階が中心になっている。
その詳細な被害状況情報は3月中旬でも調査中で、無観客での開催の案もあったようだが、電気系統や馬場の路盤などの修復にどれほど時間がかかるのか、また、余震の畏れもあり、8日に及ぶ開催期間の安全を保証できないということで、3月6日に、第1回福島の開催を断念せざるを得ないこととなった。また、新潟での代替え開催が決まった。
本協会の広報委員会でも、3月中旬に被害の状況、夏競馬を含めたこの後の展望を福島競馬場に問い合わせたが、調査に追われる最中で、この後の復旧作業に関する予定も立っていない状況だった。福島競馬場の関係者の皆様は連日対応に追われ、大変なご苦労をされている。
コロナ禍の収束の見通しも立っていないこともあり、福島に通常の競馬開催が戻ってくる時期は依然として不明である。その時が一日も早く訪れることを祈って止まない。

日本中央競馬会 福島競馬場への質問と回答

Q1 地震当日及び翌日の福島競馬場の対応内容

●地震発生直後より家族を含む所属職員の安否確認を実施。その後関係団体にも確認。
●開催出張のなかった職員は自宅被害が落ち着いた者から競馬場に集合。
●いち早く競馬場に駆け付けた設備担当課長がスタンド内の被害状況の確認を実施。その後、緊急招集で集まったJRAファシリティーズ技術員を指揮し、電算機器類を漏水から守るべく各所の止水を実施。
●その他の職員は、JRAシステムサービスと連携し、勝馬投票券発売及び払戻機能への被害状況の確認、競馬セキュリティーサービスとともに競馬場外周部の被害状況の確認、各所の被害状況の情報収集及びJRA本部への取り纏めた情報の報告等、各々必要な業務に取り組んだ。
●翌朝になり、日曜日のパークウインズの営業中止を決定(来場されるお客様の安全を考慮)。引き続き余震による危険個所を避けながら被害状況の確認に努めた。

Q2 具体的な被害場所及び状況。また、どの部分が春の開催中止の原因となったのか

●復旧工事に取り掛かるための事前準備として、現時点(3月17日)においても、まずは被害についての全容を詳細に調査中である。開催可否判断期日時点においては、被害の大まかな輪郭すら見えていなかったため、お客様はじめ競馬場施設利用者の安全が保障できないと判断し、営業を休止した。

Q3 今後の修繕作業の内容、スケジュール、夏開催の見通し

●いずれも現在検討中のため、現段階(3月中旬)ではお答えできない状況。

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